ラバーダム防湿について
2018.04.07
今回はラバーダム防湿について記事書いてていきます。
ラバーダム防湿とはなんぞや?と思われる方も多いと思いますが、
ラバーダム防湿とは薄いゴムのシート(図1)を使って治療する歯に唾液が入ってくるのを防ぐ方法です。
ラバーダム防湿は主に根管治療の際に行うのですが、
他にも唾液多い時のCR充填(虫歯の穴を白い樹脂で詰める処置)や、
水分を嫌うセメントを使って補綴物(歯の被せ物)をつける時に使ったりします。
根管治療(詳細はhttp://www.kaneko.dental/root.htmlを参照ください)においては特に重要で、
根管内(歯の内部に)口腔内の細菌が入ることを防ぎ、治療の成功率の向上に寄与しています。
他にもメリットは多いのですが、デメリットとしては少々息苦しいのと、うがいができないことでしょうか?
しかし、治療が成功しやすくなるとするとどうでしょうか?
使ってほしくないですか?
私が根管治療を受けるのであれば、必ず使ってほしいと思います。
なぜなら根管治療では口腔内の細菌が根管内に多く残ることが治療の失敗につながるので、様々な道具や消毒薬を使って根管内の菌を最小にする努力をしますが、根管内に唾液を介して侵入させてしまっては元も子もありません。。
Van Nieuwenhuyseらはラバーダムを使用していない根管治療の成功率は劣ると報告しています。
日本、ヨーロッパ、アメリカの歯内療法学会(根管治療の専門医の為の学会)のガイドラインでも根管治療時のラバーダムの使用は必須と明記されております。
ところが、患者さんにラバーダムの使用経験を聞いてみると、
殆どの方が「使ってもらったことがない」、と言われています。
実際ラバーダムの使用率を歯科医師にアンケート調査した報告では、
一般歯科医師の必ずラバーダムを使用すると答えた日本の歯科医師はわずか5.4%でした。
一方歯科医療の先進国であるアメリカの歯内療法専門医(根管治療を専門に行っている歯科医師)のラバーダムの使用率は90%以上と報告されています。
ちなみにアメリカの一般開業医(日本でも多く見られる、殆どの処置をおこなう歯科医師)では、ほとんど使うと答えたものの割合は76%と報告されています。
この使用率の隔たりは日本人としては悲しいものが有りますね。
ラバーダム防湿は、根管治療を成功に導くために必須であると思われますが、その使用率は低いため、日本での根管治療の成功率が低くなっているのではとの見解が有ります。
(根管治療の成功率についてはまた次の記事で)
当院ではより良い治療のため、根管治療の際にラバーダム防湿をおこなって治療いたします。
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